ライ・ラック・ラブ
「春花お嬢様。今夜はお出かけですか」
「ええ。6月の今は蒸し暑いから、こういう服が丁度良いと思ったのだけど…やっぱりヘン、よね」
俯いて、右手にクラッチバッグを持ち、左手はワンピースの布をもてあそぶようにいじりながらブツブツ言った私に、佐久間さんは「ええっ?何でですか?」と言った。
佐久間さんは純粋に驚き、純粋な疑問を私にぶつけてきたような気がした私は、俯いていた顔を上げて、助けを求めるように佐久間さんの方を見た。
「実は私‥今日、小原さんと一緒に、晩ごはんを食べに行くって…父から聞いてないの?」
「小原さんって…営業1課課長の小原正ですか?」
「ええ」
「聞いてませんよ!お‥私は。大体、社長とはそういう個人的過ぎる話は、全然しませんから。今、お嬢様の口から初めて聞きました」
「あらそう」
「嫌なんですか?断れない状況に持って行かれたとか」
「いいえっ!そうじゃなくって、ただ…驚いた。そう、驚いたの。だって、小原さんとはあまり話をしたこともないし。会社へ行っても必ず会っていたということもなかったから…」
「なるほど」
佐久間さんの言い方は、私に関心を持ち、なおかつ共感してくれているように思えた私は、思いきってそのまま自分の気持ちを話すことにした。
「ええ。6月の今は蒸し暑いから、こういう服が丁度良いと思ったのだけど…やっぱりヘン、よね」
俯いて、右手にクラッチバッグを持ち、左手はワンピースの布をもてあそぶようにいじりながらブツブツ言った私に、佐久間さんは「ええっ?何でですか?」と言った。
佐久間さんは純粋に驚き、純粋な疑問を私にぶつけてきたような気がした私は、俯いていた顔を上げて、助けを求めるように佐久間さんの方を見た。
「実は私‥今日、小原さんと一緒に、晩ごはんを食べに行くって…父から聞いてないの?」
「小原さんって…営業1課課長の小原正ですか?」
「ええ」
「聞いてませんよ!お‥私は。大体、社長とはそういう個人的過ぎる話は、全然しませんから。今、お嬢様の口から初めて聞きました」
「あらそう」
「嫌なんですか?断れない状況に持って行かれたとか」
「いいえっ!そうじゃなくって、ただ…驚いた。そう、驚いたの。だって、小原さんとはあまり話をしたこともないし。会社へ行っても必ず会っていたということもなかったから…」
「なるほど」
佐久間さんの言い方は、私に関心を持ち、なおかつ共感してくれているように思えた私は、思いきってそのまま自分の気持ちを話すことにした。