ライ・ラック・ラブ
言いながら恥ずかしさが増した私は、赤くなった顔を見られまいと、乗り出していた身をサッと引っこめて、パッと顔を俯けた。
お互い顔を近づけて会話をしていたせいで、テーブル越しに見える正さんのハンサムな顔が、よりハッキリと見えてしまって…あぁ、何でいつも私ばかり、こんなに胸がドキドキしてしまうんだろう。
場馴れしていないのは私の方じゃない!

「でも、君の言うことは正しい」
「…え?」

私は思わず顔を上げた。
そこには正さんがいるけれど、どことなく緊張した雰囲気をしているのは、隠しきれていないように見える。

正さんは、わざとらしくゴホンと咳払いをすると、深呼吸をした。

「やっぱこんなの初めてだからなぁ。めちゃくちゃ緊張してるし…あーっ!先延ばしにしても、俺の緊張が増すばかりだから、もう言う!」
「ど、どうしたの?正さん」
「…加納春花さん」
「は…い」
「俺と、結婚してください」
「ま…」

< 23 / 87 >

この作品をシェア

pagetop