ライ・ラック・ラブ
父が私たち娘に望んでいるのは、加納家の令嬢らしいふるまいをすること。
そして、父が長女の私に望むことは、自分が経営している会社の後を継ぐこと…ではなく、会社の後を継ぐにふさわしい男性と結婚をし、加納家と会社の跡継ぎになる男の子を生むこと。

そのために、長女の私は、6歳の頃から色々な習い事をさせられた。
でも、いわゆる「スポーツ万能」なのはお嬢様らしくないと父は考えているようで、息継ぎと25メートル泳げるようになった時点で、水泳は終了。
合気道は最初から却下された。

残念ながら、私には書道や茶道の才能は無かったものの、私の名に「花」という字がついているからか。
とにかく、植物の中でも私は特に花が好きなので、華道は楽しんで続けることができた。
父は、私が家や学院、そして大学を卒業した今は、父の会社に花を活けることを、すんなりと容認してくれている。


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