ライ・ラック・ラブ
5
颯爽と足早に歩く正さんの姿を、座ったまま目で追いかける私に、「お嬢様」と佐久間さんが呼びかけた。
「小原は結婚後、部長に昇進することが確定しているんです。それで今は挨拶回りや引き継ぎ等で、確かに多忙なんですよ」
「…分かってるわ。聞き分けのないワガママなふるまいをしてごめんなさい」
「いえっ!そうではなくて!お嬢様だって多忙な身なんだと、私は言いたかったんです。それに、色々なことに対して、小原を頼らず、次々と、お一人で決断しないといけないことは、不安もあるでしょうし、愚痴だってこぼしたくなると思います」
「それは…そうだけど」
「私が代わりに何もかも取り仕切る事はできませんが、お嬢様の心理的負担が少しでも軽くなるよう、ちょっとくらいは手伝いをさせてほしいです」
「…ありがとう、佐久間さん」
気疲れを隠せないまま、笑顔でお礼を言った私に、「もう少し、私を頼ってください」と、佐久間さんは言ってくれた。
「小原は結婚後、部長に昇進することが確定しているんです。それで今は挨拶回りや引き継ぎ等で、確かに多忙なんですよ」
「…分かってるわ。聞き分けのないワガママなふるまいをしてごめんなさい」
「いえっ!そうではなくて!お嬢様だって多忙な身なんだと、私は言いたかったんです。それに、色々なことに対して、小原を頼らず、次々と、お一人で決断しないといけないことは、不安もあるでしょうし、愚痴だってこぼしたくなると思います」
「それは…そうだけど」
「私が代わりに何もかも取り仕切る事はできませんが、お嬢様の心理的負担が少しでも軽くなるよう、ちょっとくらいは手伝いをさせてほしいです」
「…ありがとう、佐久間さん」
気疲れを隠せないまま、笑顔でお礼を言った私に、「もう少し、私を頼ってください」と、佐久間さんは言ってくれた。