ライ・ラック・ラブ
私は、テーブルに置いていたバッグを引っ掴むように取った。
その拍子に、雑貨屋の紙袋がテーブルから落ちた、少々派手な音が、周囲に響く。
でも私はその紙袋を放置したまま、彼を避けながら、玄関の方へと歩き出した。
「結婚やめたいのか?俺はどっちでもいいけど、たぶん社長は許さないと思うぜ。何せあの人、意外と体裁を重んじる見栄っ張りなところがあるし。それに、今まで“投資”してきた分の元くらい取らなきゃ気が済まないって思ってんじゃないかな」という正さんの声を背に受けた私は、思わず立ち止まった。
そして振り向きざま「“投資”、って…?」と、彼に聞くように呟いた。
その拍子に、雑貨屋の紙袋がテーブルから落ちた、少々派手な音が、周囲に響く。
でも私はその紙袋を放置したまま、彼を避けながら、玄関の方へと歩き出した。
「結婚やめたいのか?俺はどっちでもいいけど、たぶん社長は許さないと思うぜ。何せあの人、意外と体裁を重んじる見栄っ張りなところがあるし。それに、今まで“投資”してきた分の元くらい取らなきゃ気が済まないって思ってんじゃないかな」という正さんの声を背に受けた私は、思わず立ち止まった。
そして振り向きざま「“投資”、って…?」と、彼に聞くように呟いた。