ライ・ラック・ラブ
「主にデート代。最初に行った中華レストランだって、社長に頼まれた挙句、金持たされて…」
「え?じゃ…」
「社長から“春花と結婚することを考えてほしい”と言われたとき、俺だってはじめは躊躇したんだ。それこそおまえは全然俺のタイプじゃねえし、体の相性も最悪。特に、おまえの泣き顔見てると、マジで笑い出そうになるから。加納家の墓参りん時も、笑いこらえるのに必死で、見られちゃヤバいと思ったから、ここは抱きしめてごまかすしかないだろと、咄嗟に思いついたんだが…結果的には俺、良い演技したよな?ってえーっと、どこまで話したんだっけ…とにかく、会社経営は魅力があるし、前から興味もあった。おまえに書類を届けるよう、社長が“頼んできた”とき、俺は社長に承諾の返事をしたんだ。それで、示し合わせたようにお嬢様に会って書類を受け取り、一緒に出かける約束をこぎつけたってわけ」と言う正さんを、私は信じられないという目で見ていた。
これもかなり心理的な衝撃を受けたはずだけど…今、笑いは出てこない。
「え?じゃ…」
「社長から“春花と結婚することを考えてほしい”と言われたとき、俺だってはじめは躊躇したんだ。それこそおまえは全然俺のタイプじゃねえし、体の相性も最悪。特に、おまえの泣き顔見てると、マジで笑い出そうになるから。加納家の墓参りん時も、笑いこらえるのに必死で、見られちゃヤバいと思ったから、ここは抱きしめてごまかすしかないだろと、咄嗟に思いついたんだが…結果的には俺、良い演技したよな?ってえーっと、どこまで話したんだっけ…とにかく、会社経営は魅力があるし、前から興味もあった。おまえに書類を届けるよう、社長が“頼んできた”とき、俺は社長に承諾の返事をしたんだ。それで、示し合わせたようにお嬢様に会って書類を受け取り、一緒に出かける約束をこぎつけたってわけ」と言う正さんを、私は信じられないという目で見ていた。
これもかなり心理的な衝撃を受けたはずだけど…今、笑いは出てこない。