ライ・ラック・ラブ
「ああそうだよ。あん時からこの芝居は始まってたんだ。全部偶然を装った、社長も交えての、政略結婚へこぎつける大がかりな芝居が。それだけじゃない。プレゼント代も時々社長に払ってもらった。大体、あんな高級レストランで食事を毎日じゃなくても毎回とか。俺の金だけでできるわけないだろ。それとイブのホテルとディナー代のことは、おまえも知ってるよな。後は、婚約と結婚指輪にー、披露宴も含めた結婚式の費用全般。このマンションだって結局社長が払ったんだろ?」
「そんな……そんなこと、私は望んでないのに!」
「どうせ結婚すればいつかはバレることが、今バレたってだけの話だろ?そんな大げさに嘆くなよ。俺だってな、いくら愛してなくても、おまえにロマンチックな気分を味合わせるために、それなりに気い使って苦労したんだし、俺自身の貴重な時間と将来を“投資”したんだ。社長はそのことも考慮して、同性として俺に同情してくれると思うぜ」という正さんの声を聞きながら、私は靴を履き、玄関のドアをバタンと閉めた。
「そんな……そんなこと、私は望んでないのに!」
「どうせ結婚すればいつかはバレることが、今バレたってだけの話だろ?そんな大げさに嘆くなよ。俺だってな、いくら愛してなくても、おまえにロマンチックな気分を味合わせるために、それなりに気い使って苦労したんだし、俺自身の貴重な時間と将来を“投資”したんだ。社長はそのことも考慮して、同性として俺に同情してくれると思うぜ」という正さんの声を聞きながら、私は靴を履き、玄関のドアをバタンと閉めた。