ライ・ラック・ラブ
エントランスに出ると、平川さんはいなかった。
ショックを受けた私が、正さんを呼び出して、そこで彼と鉢合わせをしても、彼から怒られるだけだと分かっていたから、私に一言物申した後、すぐ帰ったのかもしれない。

私は左手首につけている時計を見た。
いつの間にか午後6時を過ぎている。
ということは…父は会社にいるかもしれない。

少し歩いて大通りに出た私は、タクシーを拾うと父の会社へ行った。

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