ライ・ラック・ラブ

「お父様」
「どうした春花。重要な用だと聞いたが。結婚式のことか？」
「ええ。私…」

私は息を吐いて吸うと、「正さんとは結婚できません」と言った。

「何故だ」
「あの人は、私とおつき合いをしている間はもちろん、婚約をして、結婚式の準備をしている間も、あの人は…他の女性とおつき合いを続けて…」
「あぁ。あのホステスか。全く」と父は言うと、ため息をついた。

「おまえと結婚する以上、浮気はするな、きっぱり別れなさいと言っておいたんだが‥。正君も了承したし、ホステスにも、それ相応の額を渡しておいたから、もう終わっていると思ったんだがな」
「ちょ‥お父、様は、知って…」
「当然だ。正君には、いずれこの会社を任せるつもりでおまえと結婚してもらうんだ。身辺調査くらいするのは当たり前だろう？」
「だったら！あの人が私を愛していないことくらい、お父様も知っているでしょう？なのに」と言っている私を遮るように、「春花」と父が言った。