鏡遊び
「なーんにもないね」

「うん」

「ないね」

そんな会話をしながら、夜の廃校舎を回り続ける。

何もないのは残念だったが、同時に嬉しくもあった。

よかった。何もなかった。

そんな安心感があったからこそ、私たちは例のトイレに辿り着けたのかもしれない。

ぴちゃん...と、蛇口から水の落ちる音が
響いてる。
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