鏡遊び
「痛い!痛い!痛いいいいいい!」

麻己がそう叫んだ瞬間、私たちは手を掴んだまま後ろに倒れこんだ。

何が起きたのかわからなかった。

助けられたのだろうか?

でもそこに、麻己の姿はない。

「麻己!」

そのまま麻己は、鏡の中へ入っていった。

「そ...んな...」

「......ひっ!」

美希はすぐに私から離れた。

「美希...?」

「瑞樹!それ...!」

美希は私の手を指差す。

それはずっと麻己の手を握っている方だった。
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