鏡遊び
「やだ!何これ!瑞樹!美希!助けて!」

赤い手みたいなものは予想以上に気持ち悪くてねっとりと私の足に絡みついていた。

もがけばもがくほど絡みついてくる。

そして私はどんどん鏡の中へ入っていく。

私を助けるために瑞樹と美希は一生懸命私の手を引っ張った。

二人で引っ張るその力はとても強くて、私の体はミシミシと変な音がしてきた。

「瑞樹、美希、痛いよ...痛い!」

今ここで止めれば私は鏡の中に完全に取り込まれるだろう。

でも足と手を同時にものすごい力で引っ張られるのはとても痛かった。

骨と骨が外れるような感じというか...まるで、体が千切れそうなぐらい...。

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