ねぇ、好き?
「だって、昔と今と須賀の佐々木に対する態度が違うから」


阿部はそう言って、コーヒーを飲み干す。

そんなつもりはなかったけど、無意識のうちに態度が変わっていたんだ。

私はなんだか恥ずかしくなり、コーヒーカップに口をつける。

その時、


「あぁー!!」


遠くから声が聞こえてきた。

声のする方に視線を向けると、残業をしていたであろう佐々木が大きく手を振りながら、私達の方へと歩いてくる。


「なぁ、二人で何してんの?今からご飯食べに行かない?俺、もう腹ぺこ」


私達の所に来るなり、そんな事を言う佐々木に、


「今日、俺、パス」


阿部は腕時計を見ながら、きっぱりと断る。


「えぇーっ!何でだよ?あっ!!奈緒ちゃんとデートかっ!!ならいいじゃん!それなら一緒に……」

「断る」


佐々木の提案を最後まで聞かずに、阿部は嫌そうな顔をして断る。


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