ねぇ、好き?
「なぁ、弥生。ご飯食べた?」

「まだだけど?」

「じゃぁ、どっか食べに行くか」


そう言って、笑顔を見せる佐々木に、


「うん」


私も笑顔で返す。


私と佐々木はカフェを出て、歩き出す。


「なぁ、いつもの所でいい?」

「うん、いいよ」


私達がよく行く居酒屋に行く事に。


「あっ」


このままいつもの居酒屋に行けば、またいつものパターン?


居酒屋に行くのだから、お酒は絶対飲むだろう。

そして、またいつものように、お酒の入った状態で「付き合おう」って言ってくるの?

さっき阿部にも言われたのに……

『須賀も自分の気持ちをぶつけて、佐々木の本心をちゃんと聞いたら?』

って。

そういえば、思い返してみても、佐々木と二人でご飯を食べに行く事は、今までなかった。

だって、いつも碧や阿部が一緒にいたり、同期の飲み会だったりしたから。

帰りに二人きりという事はあっても、ずっと二人きりという事はない。

その事に気が付いた私は、急に緊張してきた。


私、こんなに緊張して、佐々木に本心、聞けるのかな?


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