ねぇ、好き?
「弥生?どうした?」


佐々木は私の顔を覗き込む。


「えっ?」


そのあまりの顔の近さに、私の心はドキドキと煩いくらいに早くなる。

顔も自分でわかるくらい真っ赤だ。

そんな真っ赤な顔を見られたくなくて、私はパッと顔を背ける。


「“えっ?”じゃなくて。さっき、“あっ”って言ったきり喋らなくなったけど……。もしかして、予定あった?」

「いや、予定はないけど」


背けた顔を佐々木の方に向けると、私を見ていた佐々木とバチッと目が合う。


「弥生?顔、赤いぞ。熱あんじゃねぇーの?」


そう言って、佐々木は心配そうな表情で、私の額に触れる。


佐々木に触れられ、私の顔はますます熱くなる。


「大丈夫だよ」


そう言って、私は佐々木の手を払いのける。

だって、佐々木に触れられて顔が熱くなっていく。

その事を佐々木に気付かれたくなかったから。


だけど、この行動が誤解を招く事に……


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