ねぇ、好き?
そして、


「さっき、弥生が言った事だけどさ……」


佐々木は私の方を向き、


「俺、弥生の事をからかった事なんて、一度もねぇよ」


真剣な表情で私を見る。


からかった事はないって……


「嘘だ!」

「嘘じゃないって!!」


佐々木は私の両腕をぎゅっと掴む。

その手を私はまた払いのけ、


「彼女がいるのに“付き合おう”なんて言っていたのは誰よ!それに、いつもいつもお酒を飲んだ時にしか言わないじゃない。そんなの冗談にしか思えないよ!!」


感情的になった私の目から、涙が溢れてくる。


「私……、佐々木に“好き”って、一度も言われた事、ないよ……」


溢れてくる涙を堪え、俯く。


「俺……、弥生の事……、好きだよ」

「えっ?」


嘘だ……


私はびっくりして顔を上げると、佐々木は照れているのか、顔を赤くしていた。

そんな佐々木の表情は、“今の言葉は嘘じゃない”と言っているようで……

それはすごく嬉しいのだけど、やっぱり私は信じられなくて。


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