ねぇ、好き?
夏も終わり、涼しくなってきた頃――…


その日も碧と佐々木、そして同期の一人、阿部と飲んでいた。

途中までは帰り道が一緒の私達は、四人で歩いていた。


その時……


信号待ちをしている私達の向かい側の歩道。

私の視線の先には、崇と知らない女の人。

そして、仲良さげに腕を組んで歩いていた。


「えっ……、崇?」

「弥生?」


目の前を歩く二人の姿を見て、呆然とする私を心配そうに碧は見る。


「えっ?あっ、ううん。何でもないよ」


碧にはそう言ったけど……


何でもないわけがない。

飲みに行く事は止めない。

束縛をする気もない。

自分の時間は大切にしたいし、多少、崇と会わなくても平気。

友達からは、

「本当に彼の事、好きなの?」

なんて言われるけど、私はこれでも崇の事を昔も今も変わらず好き。


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