好きがあふれそう。~片思い同棲のすすめ~
「瞬くーーーんっ」
ふぁっ
気持ちの良い秋風に包まれてゆく。
瞬くんは、どこにいるのだろう。
少し心配になったとき、瞬くんの顔が見えた。
「どうしたの?心菜ちゃん。」
「みてー。可愛いお花でしょう。」
瞬くんが見せてくれたのは、ピンク色の
可愛いお花。
だからさっきいなくなっちゃったんだ。
「うわぁ、可愛い。
心菜ちゃんに似てるね、このお花。」
このお花と私は似てる…
なんだか、嬉しいな。
「先生に見せてあげようよ。」
「見せにいこう!」
「うんっ」
瞬くんと一緒に幼稚園の先生のところに
見せに行こうとしたとき、
ふぁー
優しい風邪が頬を通った。
なんだろう?と振り返ってみると、
「わぁ、きれい。」
そこには、
見渡す限り、瞬くんの見せてくれた
あのお花が咲いていた。
嬉しくなって、先生のもとへと走りだす。
「せんせーっ」
「あら、心菜ちゃん、瞬くん。
泥だらけになって…どうしたの?」
「先生、あのね。これ見つけたの。
可愛いでしょう~」
「コスモスかしらね。
どうしてこんなところに?」
コスモス、
コスモスっていうんだこのお花。
瞬くんが私に似てるって
言ってくれたお花。
「心菜~?心菜ー!
佐藤心菜!」
誰かが私を呼んでいる。
瞬くんじゃない。えっとこれは…あっ!
「はいっ!」
「学校来たばかりでしょうが~
こんなとこで寝るな!」
夢か。
あの日の、懐かしいあの日の
思い出だったのか。
「もう少しで先生に
気づかれるとこだっだんからね~。
感謝しなさいよっ」
え、学校でねてた!?
もし、鬼教師に気づかれたら…
考えただけでぞっとする。
「柚美さまーっ。ありがとうっ!!」
「わかればよし。」