カリスマ社長に求婚されました
シンデレラの夜
いつかは、左手薬指に指輪を貰いたい。
もちろん、大好きな人から。
そんな願いはささやかなもので、きっといつかは叶うと思っていた。
そう、例えばクリスマスの夜とかに……。
「和也、遅いな……。約束の七時は、とっくに過ぎてるのに」
今日は十二月二十四日のクリスマスイブ。
街では、お馴染みのクリスマスソングがいたるところで流れていて、笑顔で楽しそうなカップルが何組、私の前を通り過ぎて行っただろう。
駅前のモニュメントの前でひとり、彼氏を待つ私は、待ち遠しさより不安がよぎる。
今日は土曜日で、和也の仕事は休みだ。
遅れる理由が見当たらないし、こんな大事な日を忘れるわけがない。
あとは事故にでも遭ったんじゃないか、そんな嫌な予感を抱いてしまって、鼓動が速くなってくる。
「もう七時半だし、もう一回電話をかけてみようかな」
十五分前にかけたときは留守電だったけど、今度は出てくれるかもしれない。
きっと渋滞かなにかにハマっているんだと言い聞かせて、バッグからスマホを取り出し電話をする。
だけど三コールほど呼び出したところで、電話は意図的に切られてしまった。
もちろん、大好きな人から。
そんな願いはささやかなもので、きっといつかは叶うと思っていた。
そう、例えばクリスマスの夜とかに……。
「和也、遅いな……。約束の七時は、とっくに過ぎてるのに」
今日は十二月二十四日のクリスマスイブ。
街では、お馴染みのクリスマスソングがいたるところで流れていて、笑顔で楽しそうなカップルが何組、私の前を通り過ぎて行っただろう。
駅前のモニュメントの前でひとり、彼氏を待つ私は、待ち遠しさより不安がよぎる。
今日は土曜日で、和也の仕事は休みだ。
遅れる理由が見当たらないし、こんな大事な日を忘れるわけがない。
あとは事故にでも遭ったんじゃないか、そんな嫌な予感を抱いてしまって、鼓動が速くなってくる。
「もう七時半だし、もう一回電話をかけてみようかな」
十五分前にかけたときは留守電だったけど、今度は出てくれるかもしれない。
きっと渋滞かなにかにハマっているんだと言い聞かせて、バッグからスマホを取り出し電話をする。
だけど三コールほど呼び出したところで、電話は意図的に切られてしまった。
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