カリスマ社長に求婚されました
すると、ユキさんは照れくさそうな笑顔を見せた。

「相良社長に、そう言ってもらえて光栄です。社長にお会いするまではドキドキだったので……」

ユキさんははにかんだ笑顔を、優一さんに向ける。

さすがモデルさんだけあって、ユキさんの顔は小さく、けっして目鼻立ちがハッキリしたタイプではないけれど、笑った顔に引き込まれるほど印象的だった。

当然、手足が長く背も高い。

一七〇センチ以上はあるようで、優一さんと並んでも絵になっていた。

その優一さんは、ユキさんと奈子さんに着席するよう促して、自分も彼女たちの正面に座った。

それを見て、私も秘書であることを簡単に自己紹介して、優一さんの隣に腰を下ろす。

長方形のテーブルは、四人で使っても余裕がある広さで、遠慮なく仕事の資料を置くことができた。

さらに、どちらに座っても景色が見られるようになっていて、窓がとにかく大きくて開放的だった。

こんな場所を打ち合わせで使うのだから、世界の違いを感じずにはいられない。

「じゃあ、さっそく打ち合わせをしようか？ その後に、ディナーが出てくることになってるんだよな？」

優一さんに話を振られ、私は小さく頷く。

「はい。その予定です」

そんなワガママな要望も、ellの社名一言で、簡単に受け入れられていた。
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