カリスマ社長に求婚されました
始まった打ち合わせの内容は、新作発表会でのモデルさんの役割だったり、準備する衣装の数やデザイン、それに保管場所など、当日の流れを細かく決めるものだった。
奈子さんもユキさんも、とても真剣な表情で優一さんの話を聞いたり、質問をしたりしている。
私はそのなかで決まったことを書き留めたり、優一さんから振られる確認事項に答えるだけ。
ユキさんが身につけるジュエリーの見せ方から、ウオーキングの止まる場所まで、念入りに話し合っていた。
そして、ひととおり話が終わると、優一さんが小さく息を吐いて椅子に背をもたれた。
「だいたいこんな感じかな? 当日の会場もここだから、部屋を見られたらよかったんだけど、あいにく予約でいっぱいらしいんだ」
「それは仕方ないわね。でも大丈夫よ。ユキさんも、けっこうぶっつけ本番の仕事が多いから」
と、腕を伸ばしながら奈子さんは言ったかと思うと、私に目を向けた。
「ねえ、秘書さん。そろそろお腹も空いたし、ディナーの用意を頼んでくれる?」
「あっ、はい。すみません、気がつかなくて」
『秘書さん』という言い方に気分を害しつつも、慌てて立ち上がる。
すると優一さんが、奈子さんに険しい顔をして言った。
「彼女は、『坂下茉奈さん』だ。さっき自己紹介したろ?」
奈子さんもユキさんも、とても真剣な表情で優一さんの話を聞いたり、質問をしたりしている。
私はそのなかで決まったことを書き留めたり、優一さんから振られる確認事項に答えるだけ。
ユキさんが身につけるジュエリーの見せ方から、ウオーキングの止まる場所まで、念入りに話し合っていた。
そして、ひととおり話が終わると、優一さんが小さく息を吐いて椅子に背をもたれた。
「だいたいこんな感じかな? 当日の会場もここだから、部屋を見られたらよかったんだけど、あいにく予約でいっぱいらしいんだ」
「それは仕方ないわね。でも大丈夫よ。ユキさんも、けっこうぶっつけ本番の仕事が多いから」
と、腕を伸ばしながら奈子さんは言ったかと思うと、私に目を向けた。
「ねえ、秘書さん。そろそろお腹も空いたし、ディナーの用意を頼んでくれる?」
「あっ、はい。すみません、気がつかなくて」
『秘書さん』という言い方に気分を害しつつも、慌てて立ち上がる。
すると優一さんが、奈子さんに険しい顔をして言った。
「彼女は、『坂下茉奈さん』だ。さっき自己紹介したろ?」