カリスマ社長に求婚されました

「だけど、あんなに大っぴらにオレたちの過去を話すんだもんな。茉奈にも嫌な思いをさせただろうし、仕事でタッグを組むのを後悔したよ」

車はいつの間にか、優一さんのマンションへ着いていた。

当たり前に降りるように指示をされ、優一さんに手を握られる。

「奈子は、ちょっと自由奔放なところがあるけど、悪い人ではないんだ。茉奈と付き合っていることまで、人前で聞いてきたりはしないだろうけど……」

「私との関係は、周りにバレちゃまずいってこと？」

エントランスでクラークの人の挨拶を受けながら、エレベーターに乗り込む。

優一さんは握る手に力を込めて、私に笑みを向けた。

「違うよ。むしろ、社内では知れ渡っているじゃないか。そうじゃなくて、今日みたいに話を突然振られたら、茉奈も困るだろう？ それが心配なだけだよ」

最上階に着いて、優一さんは玄関ドアを開けると、突然私を抱きしめた。

「でも奈子と顔を合わせることも少ないから、オレがいつだって守る」

優一さんはそう言ったあと、唇にキスをした。