カリスマ社長に求婚されました
「ん……。優一さん……」

舌を絡ませながら、優一さんの手は早くも私の胸に触れている。

呼吸があっという間に乱れていき、甘い声がもれてきた。

「明日は休みだし、ふたりでゆっくりしよう。今週は、なかなか仕事以外で時間が持てれなかったもんな……」

唇を離し、耳元で囁く優一さんに、私はゆっくり頷いた。

そして、優しく抱き上げられ、ベッドルームへ連れて行かれる。

相変わらず柔らかいベッドの上で、優一さんは体じゅうにキスを降らせた。

「あっ……」

彼の手が触れるたびに、体がどんどん熱くなる。

どうしても優一さんの気持ちを独り占めしたくて、奈子さんのことを話せなかった。

この温もりも、痛いくらいに抱きしめてくれる力強さも、すべてを誰にも渡したくなくて……。

どうして奈子さんが、優一さんではなく私に自分の気持ちを話したのかは分からない。

だけど、彼女が優一さんに話すつもりがない限り、私からは伝えないでおこう。

「茉奈、ネクタイ外して……」

呼吸を荒くした優一さんが、私を愛おしそうに見ながら言ってくれる。

「うん……」

優一さんの心の中を、奈子さんではなく私でいっぱいにしてしまいたいと、思っていた……。
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