カリスマ社長に求婚されました
さすが優一さんのお父さんだ。
十年以上も海外をまわるなんて、きっと優秀な方に違いない。
「だから、オレも子どもの頃から海外に住んでいることが多くて、日本で落ち着いた生活をしたことがなかったんだ」
「じゃ、じゃあ学校も外国で……?」
だんだんスケールが大きくなっていく感じがして、ア然としてしまう。
「ああ。いわゆるインターナショナルスクールってやつだな。現地の日本人学校に通ってた。だから、オレには実家ってものがないんだよ」
「え? 実家がない?」
「そう。小さい頃から転勤族で、両親には持ち家がない。今は祖父母も他界していないから、日本では帰る場所がないんだよ」
言われてみれば、たしかにそうだ。
ご両親は海外に十年以上もいるのだから、日本では優一さんを待ってくれている場所がないんだ……。
そんなことを考えたら、なんだか急に切ない思いが込み上げてくる。
私には、いつだって戻れる場所はあるのに、こんなに頑張っている優一さんには、それがないだなんて……。
「優一さん、ご両親には会わないの?」
十年以上も海外をまわるなんて、きっと優秀な方に違いない。
「だから、オレも子どもの頃から海外に住んでいることが多くて、日本で落ち着いた生活をしたことがなかったんだ」
「じゃ、じゃあ学校も外国で……?」
だんだんスケールが大きくなっていく感じがして、ア然としてしまう。
「ああ。いわゆるインターナショナルスクールってやつだな。現地の日本人学校に通ってた。だから、オレには実家ってものがないんだよ」
「え? 実家がない?」
「そう。小さい頃から転勤族で、両親には持ち家がない。今は祖父母も他界していないから、日本では帰る場所がないんだよ」
言われてみれば、たしかにそうだ。
ご両親は海外に十年以上もいるのだから、日本では優一さんを待ってくれている場所がないんだ……。
そんなことを考えたら、なんだか急に切ない思いが込み上げてくる。
私には、いつだって戻れる場所はあるのに、こんなに頑張っている優一さんには、それがないだなんて……。
「優一さん、ご両親には会わないの?」