カリスマ社長に求婚されました
「年に一回だな。正月だけだよ。だけど、今年は茉奈のことで頭がいっぱいだったな……」

苦笑いする優一さんは、私をゆっくりと、でも強く抱きしめた。

「オヤジたちは、今パリにいるんだ。茉奈のことを話したら、会いたがってた」

「えっ⁉︎ 私のことを、ご両親に話したの？」

思わず優一さんの体を押し返すと、彼はきょとんとしている。

「ああ、この間電話で。ちゃんと紹介したかったんだけど、都合の悪いことでもあるのか？」

最後の方には、優一さんは口をへの字にして不機嫌そうな顔をしている。

その姿に、私は慌てて否定した。

「あるわけないわよ。ただ、ご両親に紹介するって、ちょっと身が引き締まるというか……。うまく言えないけど、ただ付き合ってるのとは違うって感じで、緊張してきちゃって」

しどろもどろで言うと、優一さんはまだ少しムッとしている。

「オレは、それだけ本気で茉奈と付き合ってる。それに、茉奈と出会ってから、ここへ帰るのも楽しくなったから」

「優一さん……。その気持ちは私も一緒よ。ごめんなさい、ありがとうって言うべきだったのに」
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