カリスマ社長に求婚されました
こうやって、優一さんの恋人になってから、まだ二ヶ月も経たないくらいなのに。

「イヤなら、茉奈がいいと思ってくれるまで待つよ」

まだ優一さんの鼓動は速いうえ、さっきよりも強く波打っている気がする。

さらっと言ったように思えたけど、優一さんは緊張しながら口にしてくれたんだと思うと、愛おしさが込み上げてきた。

「イヤだなんて、思ってないわ。でも、本当にいいの？ 仕事でもプライベートでも一緒で、優一さんが息を詰まらせたりしない？」

視線を上げると、そこには穏やかな笑みがあった。

「帰れる場所が、ずっと欲しかったから。そこに茉奈がいてくれるなら、もうそれ以上望むものなんてないよ」

「優一さん……」

それほどまでに、私を必要としてくれることが嬉しくて、涙が溢れてきそうになる。

自然と唇が重なり合って、優一さんが私に覆いかぶさる。

彼の背中に抱きしめるように手をまわすと、再び私たちは甘い夢の夜へ落ちていった。
< 116 / 287 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop