カリスマ社長に求婚されました

高級車なんて初めてで、それだけでも緊張する。

革張りと思われるシートに体を預けると、運転席に乗った相良さんと目が合った。

すると相良さんは私を見るなり、クスッと笑った。

「茉奈ちゃんって小柄なんだな。シートにすっぽり入ってる」

「えっ⁉︎ そうですか？」

なぜだか妙に照れくさくて、誤魔化すように笑ってみる。

「オレだったら、茉奈ちゃんみたいな子、守りたいと思うけどな。フッた男、見る目ないよ」

相良さんはそう言って、車を走らせ始めた。

「な、なんで分かったんですか⁉︎ 私がフラれたって……」

相良さんには何も話してないはずなのに、どうしてお見通しなんだろう。

呆気に取られていると、相良さんは真面目な口調で答えてくれた。

「クリスマスイブの夜に、そんな可愛い格好して泣いてる。それも、危ないことにも気付かないで。その原因なんて、すぐに分かるよ」