カリスマ社長に求婚されました
「オッケー。よろしくね、茉奈ちゃん」
優一さんが、奈子さんとふたりきりで打ち合わせをしているのは気にかかるけど、私にも私の仕事がある。
できるだけ雑念を追い払って部屋を出ると、ホテルの人と会場の最終確認をした。
機材の説明を受け、終わったあとの返却方法などをひととおり確認すると、また会場に戻ることにする。
その途中の廊下で、背後から男性に声をかけられた。
「すみません。ellの関係者の方ですか?」
「は、はい」
振り向くと、濃紺のスーツに身を包んだ三十代くらいの男性が立っている。
優一さんと同じくらいか……。
スラリと背が高く、キリッと上がった眉とは対照的に目尻は下がっていて、甘いルックスの男前な人だ。
「僕は、中沢蓮士(なかざわ れんじ)といいます。相良社長の秘書の方に、お会いしたいのですが……」
愛想がよく、礼儀正しいその人は、どうやら私を探していたらしい。
そのことに驚きつつも、優一さんの秘書という肩書きに恥じないように、私は姿勢を正してニコリと笑顔を作った。
「私が、相良の秘書でございます」
優一さんが、奈子さんとふたりきりで打ち合わせをしているのは気にかかるけど、私にも私の仕事がある。
できるだけ雑念を追い払って部屋を出ると、ホテルの人と会場の最終確認をした。
機材の説明を受け、終わったあとの返却方法などをひととおり確認すると、また会場に戻ることにする。
その途中の廊下で、背後から男性に声をかけられた。
「すみません。ellの関係者の方ですか?」
「は、はい」
振り向くと、濃紺のスーツに身を包んだ三十代くらいの男性が立っている。
優一さんと同じくらいか……。
スラリと背が高く、キリッと上がった眉とは対照的に目尻は下がっていて、甘いルックスの男前な人だ。
「僕は、中沢蓮士(なかざわ れんじ)といいます。相良社長の秘書の方に、お会いしたいのですが……」
愛想がよく、礼儀正しいその人は、どうやら私を探していたらしい。
そのことに驚きつつも、優一さんの秘書という肩書きに恥じないように、私は姿勢を正してニコリと笑顔を作った。
「私が、相良の秘書でございます」