カリスマ社長に求婚されました
一度会ってみたかったと言っていたけど、まさか品定めでもするつもりとか……?

最近、落ち込み気味だっただけに、蓮士さんに対して警戒心が芽生えてくる。

すると、彼は優しい笑みで私を見下ろした。

「きみは、あの優一がかなり惚れ込んでる女性らしいね。ちょっと興味があって、見てみたかったんだよ」

「そ、そうですか……」

蓮士さんの気持ちが読み取れないくらい、表情も口調も穏やかだ。

嫌味な感じは受けないけれど、わざわざ私を探していたくらいだもの。

もしかしたら、なにか裏があるのかもしれない。

あまり話を深堀りせずに、切り上げた方がいいかな……。

と考えていたときだった。

「坂下? なにをやっているんだ?」

パーティー会場から出てきた優一さんが、少し大きな声で私を呼ぶ声がした。

「あ、社長……」

優一さんが出てきてくれてホッとすると、彼の顔が険しくなったのが分かった。

「蓮士じゃないか。久しぶり。こんな所で、どうしたんだ? 」
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