カリスマ社長に求婚されました
「ライバル……。MBAって、経営に関する資格ですよね?」

耳にしたことはあるけど、詳しくは分からない。

だけど、簡単にとれるものではないことくらいは知っている。

すると、蓮士さんは小さく頷いた。

「経営学修士という資格なんだ。なにかとビジネスのうえで役に立つ知識だから」

「そうなんですか……」

優一さんに、そんな資格があったことにも驚きだ。

本当に、どこからどこまでも雲の上の人って感じがする。

「でも蓮士さん。だからって、私に近づいてなにをするつもりですか? 私は、奈子さんや彩子さんみたいな才能があるわけもない、ただの女性です」

優一さんがライバルだとして、それと私となにが関係あるのか。

「ただの女性ねえ。全然、『ただの』ってことはないんじゃないか? なにせ、あの優一の惚れた女性。じゅうぶん価値があると思うけど」

やっぱり、この人はどうしても好きになれそうにない。

優一さんに想われていないと、私には価値がないと言われているようなものだ。
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