カリスマ社長に求婚されました
「申し訳ないですけど、これ以上は蓮士さんと話をする必要はないと思いますので。失礼します」

優一さんとライバルだと言うくらいだから、単に嫌がらせをしたいだけかもしれない。

だんだん腹立たしさと、バカバカしさが込み上げてきて、今度こそ身を翻した。

すると、背中越しに蓮士さんの声が聞こえてきた。

「茉奈ちゃん、また会いに行くから」

「えっ⁉︎」

なにを言ってるのか、驚いて振り向くと、蓮士さんはニッと笑って、反対の人混みの中へ颯爽と消えていった。

「な、なんなの……?」

会いに来るって、なにが目的で?

それに、まさかellの本社に押しかけてくるつもりじゃないよね?

しばらく呆然とその場に立ち尽くしていたけど、誰かにぶつかられて我にかえる。

蓮士さんの本音がまるで分からなくて不安だけど、私も用事を済ませるために先を急いだ。
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