カリスマ社長に求婚されました
いつもより、少し堅い口調の優一さんは、そっと私の左頬に触れる。

「優一さん……?」

表情も、それまでの険しい顔から、どこか切なそうな雰囲気に変わっている。

緊張しながら、優一さんの次の言葉を待っていると、不意打ちのように唇を塞がれた。

「ん……。ゆ、優一さん……?」

唇が離されたところで、また塞がれる。

舌を絡ませてくる熱いキスに、体の力が抜けていくようだった。

そして私の肩を掴んでいたその手は、今度は体を抱きしめる。

「優一さんってば……。離して……」

息も苦しいくらいで、思わず彼の体を押し返すと、優一さんは気まずそうに体を離し顔をそむけた。

いったい、どうしたんだろう……。

「帰ろう、茉奈。今夜も、オレのマンションに連れて帰るから」

「う、うん……」

いつもと違って強引に、優一さんは私の手を握り引っ張るように歩き始めた。
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