カリスマ社長に求婚されました
「どうして、それを言ってくれなかったんだ?」

まさか怒ってるのか、優一さんは険しい表情をしている。

軽蔑されてしまったかもしれないと、絶望感すら覚えはじめた。

「本当にごめんなさい。優一さんが、奈子さんを気にかけちゃうんじゃないかと思って、言えなかったの。ごめんなさい……」

もう、夢は終わりかもしれない。

私が優一さんのようなカリスマ社長の恋人だなんて、身の程知らずもいいところだったんだ……。

いたたまれず視線をそらしたとき、優一さんがふわりと私を抱きしめた。

「優一さん? どうして……?」

抱きしめてくれるの?

不安を拭いきれていない私は、この状況を飲み込めないでいた。

「ひとりで、ずっと悩んでいたんだろ? オレにも言えずに……。茉奈を幸せだけで包んでいたいのに。気付けなかった自分が情けないよ」

「優一さん……。私のことを嫌いにならないの? 打算で話さなかったのに」

「どうして嫌いになるんだよ。オレが茉奈の立場でも、話さなかったと思う」
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