カリスマ社長に求婚されました
険しい表情は、怒っているからではないと分かっただけでも嬉しい。

それに、私の気持ちを受け入れてくれたことも……。

「ありがとう、優一さん。私、てっきり嫌われるかと思ってた」

そっと優一さんの背中に手をまわすと、ギュッと強く抱きしめ返された。

徐々に安堵が込み上げて、彼の胸に顔を埋める。

「奈子の気持ちに応えるつもりはないし、今はオレには茉奈しか見えない。オレの気持ちを不安に思う必要はないよ」

「うん……。そうね、優一さんの気持ちを信じないといけなかったんだわ」

いまだに、優一さんとの関係に、自信が持てないのが情けない。

いつもどこかで、私が彼に釣り合うのかと、考えてばかりいる。

もっと自信を持ちたいのに……。

「本当にそのとおり。茉奈は、オレに対して気をまわし過ぎなんだよ。そんな簡単に心が離れたりはしないから」

「うん……」

自分が変わらなくちゃいけないと、心底思ってしまう。

私だけではなく、優一さんにも不安な思いをさせてしまったのだから。
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