カリスマ社長に求婚されました
「船上パーティーですか……」

船のパーティーなんて、今まていったことがなくて、イメージがまるでわかない。

いったい、どんな雰囲気のものか聞いてみようと考えているうちに、車は駐車場らしき広場に着いた。

ロープで区切られた枠の中には、高級車ばかりが停まっている。

それだけでも圧倒されるのに、目の前の港に停泊している船は、テレビでもたびたび紹介されている豪華客船で、言葉を失う。

船自体、クリスマス仕様にライトが施されて明るいのに、さらに甲板にはイルミネーションが作られていて、それが眩しいくらいに輝いていた。

「ごめん、茉奈ちゃん。すこし待っててくれるか?」

「あ、はい。分かりました」

シートベルトを外した相良さんは、どこかせわしなく車を降りていった。

相良さんを待っている間、窓から船へ入っていく人をチェックすると、女性のドレスアップ姿に目をみはる。

「これって、簡単なパーティーじゃないみたい……」

芸能人さながらの華やかなドレス姿の人たちを見て、急に心細さと不安が押し寄せてきた。
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