カリスマ社長に求婚されました
「謝る?」

怪訝な顔を向けると、蓮士さんは私に近づき手首を軽くつかむ。

その行動に警戒しながらも、ソファーに促され座った。

蓮士さんは私の目の前に座ると、ニコニコと笑みを浮かべている。

「優一には、オレのこと聞いた?」

「いえ……」

「そっか。オレたち、ライバルだとか言ったけど、別に仲が悪いわけじゃないんだ」

え? どういうことだろう……?

金曜日に初めて会ったときには、ふたりの間には険悪な雰囲気が漂ってたし、蓮士さんもそういう口ぶりだったのに。

仮にそうだとしても、なぜ今、それもわざわざアポなしでやってきてまで言うんだろう。

「意味がよく分かりませんけど、だからどうっだっていうんでしょうか? 仕事もあるので、あまりゆっくり話している時間はないんですが……」

それに、どこまで信用していいのかも分からないし。

「ごめん。さっさと話すよ。あの夜、茉奈ちゃんに感じの悪い態度を取ったのは、ちょっと頼まれたからなんだ。でも、悪かったと思ってる」
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