カリスマ社長に求婚されました
いつの間にか、私たちがゆっくり話す時間は、こうやって体を重ねあった後が多くなっている。

それはやっぱり、普段は張り詰めて仕事をしているからだと分かった。

優一さんは私を抱いたあとは、普段以上に優しさと愛おしさを出してくるから。

お互いの温もりを感じた後が、一番心を緩められる瞬間かもしれない。

「蓮士が帰るとき、なにか話した？」

ソファーからベッドへ移動し、抱きしめ合って甘い夜の余韻に浸っていると、優一さんがふと聞いてきた。

「えっと……。それは……」

名刺の話をしようか迷ったけれど、ほとんど一日中一緒にいるわけだし、どこで優一さんの目につくか分からない。

隠しておいて、のちのち誤解の種になってもいけないと思い、正直に話すことにした。

「実はね、名刺をもらったの」

「名刺？」

優一さんは怪訝そうに言うと、私の体を離した。

「うん、そうなんだけど……」

裏には携帯番号が書かれていたこと、そして相談にのるとも言われたことを話すと、優一さんは大きなため息をついた。
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