カリスマ社長に求婚されました
もちろん、なにを幸せに感じるかは人それぞれだけど、私にはellからもらう現実の幸せがあると確信している。

「やっぱり、ellが好き……。この気持ちは変わらないわ」

「よかった、そう思ってくれて」

ふと耳元で聞こえてきた声に、飛び上がりそうなほどにビックリした。

「優一さん⁉︎ いつの間に帰ってたの?」

振り向くと優一さんが立っていて、スーツのネクタイを外しているところだった。

「今だよ。声をかけようと思ったんだけど、茉奈があまりに夢中にパソコンを見ていたから。ellのHPだな」

「う、うん。今さらなんだけど、ellの由来が気になっちゃって」

改めて優一さんに見られるのはどこか気恥ずかしくて、照れ笑いを浮かべた。

「由来か。HPには載ってないだろ?」

「そうなのよ。どうして? 会社紹介ページとかに載ってても、よさそうなのに」

すると、優一さんは外したネクタイをソファーにかけて、肘掛に腰を下ろした。

「ジュエリーが放つ感覚を感じてほしいからなんだ」
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