カリスマ社長に求婚されました
本当は、奈子さんとは二度と会ってほしくないと思っている。

それだけじゃない、彼女以外の恋人だった人のことも、できれば忘れてしまってほしいと願う自分がいる。

それくらいに、優一さんの心を自分だけのものにしたかった。

「それなら、もう叶ってるよ。オレには、茉奈しか見えていない。だから、なにも不安に思わなくていい」

と言った優一さんは、私をギュッと強く抱きしめた。

スーツからほのかに香る甘くも色気がある品のある匂いが、私の胸をさらに高鳴らせていた。

「ありがとう。優一さんは、いつもそう言ってくれるのにね……」

それなのに、不安が拭い切れない原因は、自分に自信がないのもあると思う。

奈子さんに、私が優一さんにふさわしくないと言われれば、反論できないもの。

だから、やっぱりチャレンジしてみたい。

「優一さん、この間話したショップの店員のことなんだけど、挑戦してみてはダメ?」
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