カリスマ社長に求婚されました
と言うと、優一さんは体をパッと離した。

どこか驚いたように、目を大きくして私を見ている。

「茉奈……。諦めてなかったのか?」

「うん……。優一さんが反対なのは分かってるの。だけど、私も自分に自信がほしくて」

「自信?」

「そう。私がellにいられるのは、優一さんの恋人だからでしょ? 自分の実力だからじゃないもの」

奈子さんに、打ち合わせのときに言われたことは間違っていない。

だからこそ、私は悔しかった。

「それでいいじゃないか。なにがいけないんだ?」

優一さんは眉間にシワを寄せ、まるで問い詰めるように見ている。

その迫力に圧されつつも、なんとか答えた。

「だって、私にも、堂々と優一さんの恋人にふさわしいって言えるものがほしいの」

すると、優一さんは呆れたようにため息をついた。

「なにかと張り合ってるのか? まさか、奈子?」

さすが鋭い……。

図星なだけに、私は言い返せず言葉を詰まらせた。
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