カリスマ社長に求婚されました
今まで、誰かと付き合っていて、こんな気持ちを持つことなんてなかったのに。

それだけ、優一さんと付き合うということは、特別な感じに思えていた。

「分かったよ、茉奈。セミナーに行きたければ
、行ってきたらいい」

私の話を聞き終えた優一さんが、ため息混じりに言った。

「え? でも……」

私が泣いたから渋々オーケーしてくれたみたいだし、それはさすがに気がひける。

「やっぱりやめるわ。ワガママを押し通したみたいでイヤだし。今日は電話受付が終了したから、明日断りの連絡いれておくから」

優一さんも、まだ仕事経験が浅いと言っていたし、今は与えてもらった業務を完璧にこなせるようになろう。

「茉奈……」

優一さんはなにか言いたそうに口を開きかけたけど、これ以上この話をしたくなくて、私は身を翻し歩き始めた。

「優一さん、今夜はひとりで帰るね」

心配そうに見ている彼に、ぎこちない笑顔を向けて夜の街へ進んでいった。
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