カリスマ社長に求婚されました
オフィス街を歩きながら、いつもはここを優一さんの車の中から眺めているんだと改めて実感する。
今夜は少しひとりになりたくて、足取りも自然と遅くなる。
「私、いつの間にか欲張りになっていたのかも……」
優一さんや柊也さん、それに彩子さんに……悔しいけど奈子さんたちを見ていると、私にもなにかできそうな気がしていた。
たいした才能はないくせに、みんなと同じフィールドに立てれるような錯覚を起こしていたのかもしれない……。
「今夜は猫背で歩いてるじゃないか。なにかあったか?」
ふと聞き覚えのある声が聞こえてきて振り向くと、蓮士さんが涼しい顔で見下ろしていた。
「蓮士さん⁉︎ なんでここに⁉︎」
まさか、また偶然会うなんて、蓮士さんと行動パターンが同じなんじゃないかと思えてくる。
「なんでって、この先が職場だから」
「あっ、なるほど……」
蓮士さんが親指で差した方向は、金融機関街だ。
そういえば、蓮士さんの勤めている外資系銀行もある。
「茉奈ちゃん、元気ない感じだな。優一とケンカした?」
今夜は少しひとりになりたくて、足取りも自然と遅くなる。
「私、いつの間にか欲張りになっていたのかも……」
優一さんや柊也さん、それに彩子さんに……悔しいけど奈子さんたちを見ていると、私にもなにかできそうな気がしていた。
たいした才能はないくせに、みんなと同じフィールドに立てれるような錯覚を起こしていたのかもしれない……。
「今夜は猫背で歩いてるじゃないか。なにかあったか?」
ふと聞き覚えのある声が聞こえてきて振り向くと、蓮士さんが涼しい顔で見下ろしていた。
「蓮士さん⁉︎ なんでここに⁉︎」
まさか、また偶然会うなんて、蓮士さんと行動パターンが同じなんじゃないかと思えてくる。
「なんでって、この先が職場だから」
「あっ、なるほど……」
蓮士さんが親指で差した方向は、金融機関街だ。
そういえば、蓮士さんの勤めている外資系銀行もある。
「茉奈ちゃん、元気ない感じだな。優一とケンカした?」