カリスマ社長に求婚されました
「なんでですか……？ 蓮士さんほどの人が、私なんて相手にする必要ないじゃないですか。放っておいてください」

かまわず進み続けると、蓮士さんに腕を掴まれた。

「離してください」

「いやだね。どうせ優一とも、『こんな私と……』みたいなケンカしたんだろ？ じゃあ、別れろよ。あいつは、茉奈ちゃんには重荷だ」

「重荷って……。そんなこと、蓮士さんに言われる筋合いはありません」

もちろん、優一さんの隣にいる自分に自信がないのは事実。

だから、悩んでいるわけだけど、出会ったときから優一さんのことになると、蓮士さんは挑発的だ。

そんな蓮士さんの言葉を、簡単には信じられない。

「だって、あいつなんだかんだ言って、元カノと仕事してたりするだろ？ 普通、そういうのしなくないか？」

「それは……」

優一さんが奈子さんに対して未練がないのは、見ていて分かる。

だけど、分かっていても面白くないのも本音で、優一さんを庇う言葉が見つからない。
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