カリスマ社長に求婚されました
「私と……?」

「ああ。奈子とは、お互いの進みたい道の違いが、気持ちにズレを生んだ。それは、離れてみれば気にならないことだけど、一緒にいるとお互い窮屈に感じる。間違いなく、いい仕事はできない」

「そうなの……」

ふたりのことは私に分かるはずもないけど、優一さんにとって仕事がどれくらい大切か、今の言葉で改めて思い知らされた。

どれだけellを大事に思っているか、私をそのellそのものと言ってくれたことが、どれほど重みのあることか……。

嬉しいなんて言葉では、とても自分の想いを表しきれない。

「茉奈はオレにとっては癒しの存在で、永遠の愛を注ぎたい相手だ。だから、誰かと比べる必要はない。今のままでいてほしいんだ。分かったか?」

「うん……。ありがとう、優一さん……。どうやって、嬉しさを伝えたらいいのかな」

涙が溢れて止まらない。

優一さんとの偶然の出会いが、こんな大きな愛をもらえることだったなんて……。

優一さんの引き締まった体を抱きしめて、しばらくの間幸せな余韻に浸っていた。
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