カリスマ社長に求婚されました
ちょっと大胆だったかな……。

普段こんなことはしないから、緊張が込み上げる。

チラッと顔を上げ優一さんの反応を伺うと、彼は真顔で真っ直ぐ前を見据えている。

もしかして、引いちゃった?

やっぱり、腕を離そうとすると、絡めている手を押さえられた。

「なんで離れようとするんだ?」

「えっ? だって、優一さん引いてない?」

おそるおそる聞いてみると、優一さんは照れくさそうに笑った。

「まさか。むしろ嬉しくて、早く茉奈とふたりきりになりたいと思ってしまったよ。珍しいじゃないか、茉奈からひっついてくるのは」

「優一さん……」

良かった、喜んでもらえたみたい。

「今日は迎えにきてくれて、ありがとう……」

「いや、茉奈のことなら、いつでも迎えにいく」

優一さんはそう言って、私の髪にキスをした。

今日は、思いがけない最低な再会もあったけど、優一さんがこうやって来てくれたから、全部チャラにしよう……。
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