カリスマ社長に求婚されました
「優一さん⁉︎ 今日も来てくれたの?」

ゆうべ、急きょ仕事の電話が入り、今日はずっと会社にいるものだと思っていたのに。

笑顔の優一さんの姿を見て、ホッとする自分がいた。

「早く仕事が終われたんだ。あれ? 膝ケガしてないか?」

さっそく気がついたらしい優一さんが、少し心配そうな顔をした。

「あ、さっき転んじゃって……」

笑って誤魔化すと、優一さんは呆れたような笑顔を浮かべた。

二宮さんをここで悪く言っても仕方ないし、優一さんにあまり心配をかけさせたくない。

ここは、自分の不注意ということにしよう。

「まったく、茉奈は危なっかしいな。ほら、こっちに来て。ハンカチ巻いておこう」

「えっ? ハンカチ?」

優一さんは私の手を取ると、近くのソファーに座らせる。

ここは休憩などで、誰でも使えるものだ。

和也や二宮さんのことは頭からすっかり飛んでいき、私の前に膝まづいた優一さんにドキドキする。

「優一さん、ちょっと恥ずかしいかも。人も見てるし」
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