カリスマ社長に求婚されました
月曜日の朝、優一さんは上顧客とのアポで、会社には来ていない。

私は、いつもどおりメールチェックなどを済ませ、会議室で新しいパンフレットの整理をしていた。

「茉奈ちゃん、これ首元に巻いとけよ」

ノックして入ってきたのは柊也さんと彩子さんで、柊也さんは私に水色のスカーフを手渡してきた。

「スカーフですか?」

いったい誰のスカーフで、なんのために?

柊也さんの言いたいことが分からなくてポカンとしていると、彩子さんが苦笑しながら言った。

「貸してあげるから、首を隠した方がいいわよ。キスマーク、ついてるから」

「えっ⁉︎」

思わず首元を隠してしまいながら、ゆうべの夜を思い出す。

優一さんにとって、『なま和也』を見たことはショックだったらしい。

和也は男としては最低だったけど、それなりにルックスはいいし、きちんと仕事もしている。

優一さんには、和也はじゅうぶん恋のライバルに写ったらしかった。

だから昨日は、かなり激しかったのよね……。

恥ずかしさでいっぱいになりながら、スカーフを巻いていく。

「彩子さん、ありがとうございます。洗って返しますので」
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