カリスマ社長に求婚されました
二宮さんに言われたからではないけど、ellが憧れであることには、今でも変わりない。

そしてその気持ちは、優一さんと出会ってますます強くなった。

だから、ひとつは身につけたいと思ってるのだけど……。

「買うの⁉︎ それは……、どうかな。なにも、わざわざ買わなくても……」

彩子さんはあまり賛成ではないらしく、渋い顔をしている。

そして柊也さんも、それに乗っかるように言ってきた。

「オレも、あまり賛成できないかな。だいたい、茉奈ちゃんが買ったものを身につけてる姿って、優一にはイヤかもしれないだろ?」

「じゃあ私は、どうやってellを身につければいいんですか?」

つい唇を尖らせてしまい、柊也さんは目を泳がせた。

まさか、優一さんにねだる……?

だけど、社長がどうやって商品を買うのだろう。

ふたりでショップに行くのは変な気がするし、納品されたものを抜き取るわけにはいかないし……。

「やっぱり、私が買うのが一番いいと思うんですけど……。パンフレット見てたら、可愛いものがいっぱいで」
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