カリスマ社長に求婚されました
彼の素顔
私の背にあったはずの相良さんの手は、いつの間にか肩を抱いている。
より一層、相良さんを意識してしまい、鼓動が速くなっていった。
彼に誘導されるまま、来た道とは反対方向に歩いていくと、また緩やかな螺旋階段が見えてきた。
だんだんと賑やかな声が聞こえてきて、どうやらその先が、パーティーのメイン会場らしい。
それにしてもさっきから、威厳たっぷりの年配のおじさま達が、相良さんを見つけるなり挨拶をしている。
私から見たら、企業の重役かなにかでもおかしくない雰囲気の人たちばかりで、呆気にとられてしまっていた。
相良さんが、どういう人なのか、聞かないというより、聞けない気持ちになっていた。
階段まで着いたとき、こちらに歩いてくる若くて派手な男性が見えて目を奪われる。
すれ違うパーティーの参加者は、五十代くらいの人がメインで、相良さんくらいの年齢はほとんどいない。
だから、相良さんと同じ年齢くらいの人がいたことで、自然と目に付いた。
「相良さん、あの方は? ここに来られている方って、みなさんかなり年上の方ばかりなのに……」
その男性は、顔立ちが派手で、雰囲気にかなり華やかさがある。
彼の隣には可愛いらしい女性がいて、笑顔で見つめ合いながら会話をしていた。
「彼は、嶋谷智紀っていうんだよ。テレビ局の御曹司で、芸能事務所も経営している副社長。そして隣は奥様の由香さん」
「テ、テレビ局の御曹司の方が来られてるんですか⁉︎」
そう言われてみれば、ニュースで見たことがある。
たしか、先月ご結婚されたばかりだ。
「ああ、智紀はうちの……」
相良さんは、中途半端にそう言うと口をつむいだ。
「うちの……って?」
つい聞き返すと、相良さんはぎこちない笑顔で小さく首を横に振っている。
「ごめん、なんでもない。それより、おいで。茉奈ちゃんに紹介してあげよう」
より一層、相良さんを意識してしまい、鼓動が速くなっていった。
彼に誘導されるまま、来た道とは反対方向に歩いていくと、また緩やかな螺旋階段が見えてきた。
だんだんと賑やかな声が聞こえてきて、どうやらその先が、パーティーのメイン会場らしい。
それにしてもさっきから、威厳たっぷりの年配のおじさま達が、相良さんを見つけるなり挨拶をしている。
私から見たら、企業の重役かなにかでもおかしくない雰囲気の人たちばかりで、呆気にとられてしまっていた。
相良さんが、どういう人なのか、聞かないというより、聞けない気持ちになっていた。
階段まで着いたとき、こちらに歩いてくる若くて派手な男性が見えて目を奪われる。
すれ違うパーティーの参加者は、五十代くらいの人がメインで、相良さんくらいの年齢はほとんどいない。
だから、相良さんと同じ年齢くらいの人がいたことで、自然と目に付いた。
「相良さん、あの方は? ここに来られている方って、みなさんかなり年上の方ばかりなのに……」
その男性は、顔立ちが派手で、雰囲気にかなり華やかさがある。
彼の隣には可愛いらしい女性がいて、笑顔で見つめ合いながら会話をしていた。
「彼は、嶋谷智紀っていうんだよ。テレビ局の御曹司で、芸能事務所も経営している副社長。そして隣は奥様の由香さん」
「テ、テレビ局の御曹司の方が来られてるんですか⁉︎」
そう言われてみれば、ニュースで見たことがある。
たしか、先月ご結婚されたばかりだ。
「ああ、智紀はうちの……」
相良さんは、中途半端にそう言うと口をつむいだ。
「うちの……って?」
つい聞き返すと、相良さんはぎこちない笑顔で小さく首を横に振っている。
「ごめん、なんでもない。それより、おいで。茉奈ちゃんに紹介してあげよう」