カリスマ社長に求婚されました
「え？ 温かくなること？」

「そう。この二週間、まったく茉奈を抱いてなかったから、今夜は久々に抱きたい」

「う、うん……」

こんな恥ずかしいセリフを、優一さんは笑顔でサラッと言ってしまうのだから……。

優一さんは、はにかむ私を抱き上げて、ベッドへゆっくりと降ろす。

「最近、蓮士と会う機会が多いんだ。高畑先生のセミナーを、社員にもっと参加させようって、お互い考えが同じになってね」

優一さんは私を見下ろしながら言った。

「そうなの？ 」

蓮士さんの名前が出ると、変な緊張感が走る。

銀行で会ってから、蓮士さんとは一度も会っていない。

それに、むこうからもアクションがなく、頭から抜けていたところに、久々に名前を聞いたから動揺してしまった。

「ああ。あいつ、毎回茉奈の様子を聞いてくるんだ。元気かとか」

「そ、そう……」

まさか、蓮士さんがいつまでも私に未練を残すはずないし、ここはサラッと聞き流しておこう。

「茉奈はやっぱり、人を惹きつける魅力があるな。言葉では表しづらいけど、オーラが人を包み込む優しさがある」

「優一さん……」

「だからだろうな。蓮士もいつまでも、茉奈を忘れられないらしい。だけど、何度も言うけど、オレは茉奈を絶対に誰にも渡さない」
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